はじめに

以前、裁断機加工限界という記事を書きました。
裁断機の刃渡り巾の限界で、長尺加工に制約があるという内容です。
記事中、0.8㎜以下の素材については言及しておりませんでした。
実のところ、0.5㎜厚だと長尺カットの手段がカッターナイフによるハンドカットくらいしか手段がなかったのです。

協力会社様のプロッター

長年、0.5㎜厚の長尺カットがネックでした。
社内の裁断機(ギロチン)だと刃渡りの1,100㎜巾が限界。
委託先のシャーリングだと0.8㎜以上なら長尺は可能。
但し0.5㎜生地は薄過ぎてカット面がギザギザのバリが酷く、とても良品がとれませんでした。
この度、新規の協力会社様のプロッターにてテストカットをお願いしたところ、0.5㎜厚の生地でも難なくカット出来ました。
そして、そのプロッターだと3×6板はゆうにセット可能なので、これまでネックだった長尺カットが可能になるという事です。

レシプロカッターの仕上がり具合

但し、プロッターの場合はレシプロカッターで切るという事です。
ナイフのような刃物がミシンのように上下に振動しながら切っていくイメージ。
「ミシン」と表現しましたが、実際の小口の仕上がりもミシン目のような少しザラザラしたものになってしまいます。

写真は0.5㎜厚のA-PET基材にMP-T(ノーマルミラーフィルム)加工をした生地をプロッターでサンプルカットしたものです。
写真でもご覧いただけると思いますが、触った時にザラザラと感じる箇所は白っぽく見て取れます。
残念ながら、ギロチンやシャーリング・トムソンといった刃物加工とは違い、触って判るざらつきがどうしても残るという事です。
写真のテストカット品がいくらかございます。
気になる場合は、一度こちらの現物でご確認下さい。

具体的に長尺とは?

3×6板の生地ならば、長手1,830㎜方向を多く残したい場合。
ギロチンの限界、1,100㎜以上から1,830㎜の長さを残したい場合はプロッターをご検討下さい。
例えば、450×1,830㎜を2枚とか。
また、プロッターなら抑えの巾も関係ないので30×1,800㎜とかも可能です。

まとめ

弊社取り扱いで一番薄い生地である0.5㎜厚限定の加工になります。
0.5㎜厚でこれまで対応できていなかった長尺カットが協力会社様のプロッター加工で可能になりました。
但し、レシプロカッターの小口特有なミシン目のようなギザギザした触感はどうしても残ってしまいます。
こちらの条件でも構わないという案件、是非ともお問合せをお待ちしております。