今回はヘアラインフィルムの事例紹介です。
素材は1.0㎜厚のA-PET生地です。
この生地は半透明のスモーク色でして、フィルム加工と反対側(樹脂側)から見るとヘアラインがスモーク色に着色して見えるのでスモークヘアラインとしてご紹介しております。
今回ご紹介する事例としては、プリントした写真を飾るフォト台紙としての事例になります。
台紙部分がこのスモークヘアラインになり、アクリルの透明板を同じサイズにレーザーカットして挟んで使うイメージになります。

事例としての特徴

特徴としては、アクリル板と挟む為にビス穴が必要になるという点です。
穴の径は5Φと非常に小さい径だという事です。
押さえのアクリルはレーザーで加工するので問題ありません。
但し、PETの1.0㎜になると少々条件が厳しくなります。
数年前なら、外径のみトムソン型で打抜いてからビス穴をボール盤で加工する方法をとっていました。
しかし、近年トムソン型にセット出来るポンチ型(丸抜き型)がとても強度が良くできてきたので、今回は外径と内径のセット抜きに挑戦してみました。
結果、思いのほかいい仕上がりでしたので今回ご紹介するに至りました。

外径・内径のセット抜き

トムソン型で外径と四隅にビス穴用のポンチ型をセットしたレイアウトにより、1ショットで外径と穴加工を実現できております。
生地の厚みが1.0㎜になるので、穴の周辺は若干の肉盛りが見受けられますが、案件的には許容範囲でした。
このようなセットレイアウトでいけば加工コストと効率を高める事も可能です。

フィルム加工した場合、肉盛りの影響が非常に表れやすいです。
今回のように非常に小さな径でのセット抜きは正直非常に稀でハードルも高いです。
もっと大きな径で外径から距離があると綺麗に打ち抜けます。
レイアウト次第では複数の工程は1ショットでまとめられる場合もございますので、まずは設計段階でご相談頂けると有難いですね。