はじめに

本件、1㎜厚の硬質塩ビ板(PVC)の片ツヤ・片マット生地に両面テープを貼った素材をわずか3㎜巾の短冊状に裁断する事例です。
これまで、裁断余白として廃棄する際に意図せずこれくらいの細さになる事はありましたが、任意で狙ってという経験はありません。
お客様のご相談でとりあえず試してみましょうという事でトライしました。

前提

弊社のコア技術であるラミネート加工にて、片マットのPVC1.0㎜厚の3×6板に両面テープを全面貼りしていきます。
そしてCNC裁断機にて3㎜巾で送り裁ちを試してみます。
一見簡単そうなこの工程ですが、実は裁断の専門業者では敬遠されがちだったりします。
弊社でも過去、裁断は外部委託工程でしたが、両面テープ付きのワークを敬遠され、止む無く社内設備をするに至りました。
両面テープ全面貼りの生地の裁断事例としてでもご覧頂ければと存じます。

裁断トライからの見事成功‼

実は以前に裁断の様子を動画にまとめてFacebook で公開しておりました。
折角なんで今回の記事化に伴いYouTubeでもUPしてみました。
まずはその様子をご覧ください。

難しかった点

平素裁断機ではPET樹脂の加工が比較的多く、PVCはあまり扱いがありません。
特に1㎜厚となると裁断の際に断面にひび割れ(クラック)が生じる事があります。
また、極端に巾が狭いと生地にかかる負荷の影響で樹脂が白っぽく変色する白化が起きる場合があります。
特に黒生地については白化が目立ちやすく少々厄介でもあります。
しかし、今回はインバーター制御によって刃物が下りるスピードを極限までく遅くコントロールする事によって生地へのストレスを最小限に抑えられたようです。
クラックや白化もなく綺麗な仕上がりに。
お客様も了解頂けまたスキルアップに繋がりました。