はじまり
きっかけはお客様からお寄せいただいたご相談から。
「レーザーエッチング(彫刻)可能なゴールド調のヘアラインはありますか?」
当時、ヘアラインで着色の表現としては色透明にバックサイド加工をしたものか新型ゴールド(参照)のように着色フィルムを重ね貼りの2択でした。
細かい事を申せばフィルムかバックサイドの母材となるアクリル板に印刷をする方法もあり得ますが、サイズ的な問題もあり一旦置いておく事に。
そもそもレーザーエッチングは新型ゴールドで事例をWebサイト上でも掲載しておりましたが、イメージと違ったようで。
そこで今回は色透明の方でアプローチしてみる事に。
キャストアクリルの色透明板
ミラーコースターの事例(参照)でも試しましたが、アクリル板でエッチングと相性がいいのはアクリルのキャスト板です。
また、色透明板の色数についてもアクリルのキャスト板が豊富にあります。
そこでまず、ゴールド調になりえるキャストアクリルを選択します。
ざっと候補に上がったのがオレンジ透明とレモン(黄色)透明です。
過去、PVC(硬質塩ビ)でオレンジ透明で加工したものをゴールド調とご紹介していた時期がありました。
しかしながら、オレンジだと赤味がきつくどちらかと言えば赤銅調のイメージが強くなりました。
そこで新型ゴールドの着色フィルムがレモン色でしたので、今回はレモンクリアのキャストアクリルを取り寄せて試作貼りを行いました。
早速試作貼りを行ってみました。
イメージ通りですが、オレンジ透明よりかはゴールド(金)に近いかも。
この辺りは主観によりけりなので、正直見る人で評価は分かれます。
どちらかと言えば青味が強いとか。
ゴールドというか黄色だとか。
黄色と言われてしまうと全くその通りでもあります。
アクリルメーカー製のものはオレンジとレモンの中間、黄土色っぽく感じますが、残念ながら定番色にはありませんでした。
レーザーエッチング(彫刻)での評価
次に実際にこの生地をレーザー加工機でカットとエッチング(彫刻)を試してみます。
過去、コースター用に作ったデモデータがあるのでそれで制作してみました。
まずは出来上がった試作品をご覧ください。
光の当たり具合で色味の濃紺の感じ方は変わります。
ゴールドとも言えますが黄色と言えば黄色です。
エッチング箇所は綺麗に白抜き出来てますね。
フィルム重ね貼りの新型ゴールドの場合、フィルム部分をレーザーエッチングする訳ですが、あまり細かく彫るとフィルム部分が剥がれる危険性があります。
しかし、下生地の色が利用できる利点があります。
今回、色透明のキャストアクリルだとフィルムは裏側なので剥がれる危険性はありません。
逆にエッチングの表現が白の身という事になります。
現時点ではこの試作結果に基づく提案になります。
しかし好みの分かれる所であるのは事実なので、今後も他の表現は模索してまいりたいと思います。