はじめに

以前に樹脂ミラーの選び方ガイドというエントリーで記事を書きました。

当該記事 樹脂ミラーの選び方ガイドはこちら!

その時は主に弊社自前のフィルムラミネート方式のミラーバリエイション中心でした。
文末に軽く他社メーカーの仕入品について触れましたが、今回はシーンに合わせてこの仕入品を中心にご案内したいと思います。

表面鏡という選択

樹脂に限らず鏡・ミラーには大きく分けて表面鏡と背面鏡の2種類があります。
これには使用目的や写り方で微妙な違いがあります。
また、この表面鏡と背面鏡についてはこちらの記事で説明しておりますので、是非ご一読下さい。


今回は特に、弊社にお寄せいただく使用法で多い万華鏡についてです。
万華鏡は、合わせ鏡による映り込み効果を楽しむものです。
これには正反射をする表面鏡がもってこいなんですね。
で、第一には勿論弊社自前のフィルムラミネート式のミラーをお願いしたいところです。
しかし、弊社のフィルムは粘着貼りにつき、正直フィルムが剥がれる恐れもあります。
その際は、PVC(硬質塩ビ)のみになってしまいますが、同じく表面鏡仕様の塩ビミラーという選択肢もございます。
ミラーフィルムを粘着ではなく、プレス機にて熱と圧力をかけて圧着して製造されてます。
加熱による反りやヘイズが若干入る事もありますが、フィルムと元板となるPVCの密着はかなり強固ですので、剥離する心配がないのがメリットです。
こちらも仕入・取扱い可能ですので是非お問合せ下さい。

写真は弊社自前のフィルムラミネート式の表面鏡です。
表面でダイレクトに反射するので像が二重になったり、板厚で浮いて見える事なく反射している様子がご確認頂けます。

背面鏡という選択

先ほどの表面鏡とは違った背面鏡方式の樹脂ミラーについても取扱いございます。
背面鏡となると一般的なガラス鏡とよく似た製法で作られます。
基材・ベースとなる透明の樹脂板にアルミを直接真空蒸着して製膜する製法です。

弊社の取り扱い素材では、アクリル樹脂とポリカーボネイト樹脂の背面鏡がございます。

アクリル/背面鏡について

現在、弊社では国産メーカーのアクリルミラーを取り扱っております。
2.0㎜厚と3.0㎜厚あり、通常のアクリルと同じく丸鋸やエンドミルでの切削加工に適しております。
弊社自前のフィルムラミネートミラーだと、切削加工の際にフィルムの部分剥離を起こしやすいんですね。
また、エンドミルで加工するとフィルムが毛羽立つなどの不具合もあります。
切削加工が必要な場合は、この仕入品であるアクリルミラーが適していると言えます。
また、大きさにも特徴があります。
通常の3×6板の他にも、このアクリルミラーですと1×2のメーター板、つまり1,000×2,000㎜の大きさが規格品としてあるんですね。
実際、3×6板で対応できない長尺のご要望にお応えできるケースもしばしばございます。
裏面はグレーの塗料でアルミ製膜面を保護しております。
この点もガラス鏡とよく似通っております。

ポリカーボネイト/背面鏡について

現在、弊社では海外輸入もののポリカーボネイトミラーを取り扱っております。
こちらは薄物中心で0.5㎜厚と1.0㎜厚のラインナップです。
また、過去には国産メーカーのPCミラーの取り扱い実績もございます。
国産メーカーですと厚板のラインナップもございます。
ポリカの特徴と申しますと、何と言っても耐候性と耐熱性でしょう。
基本的に屋外使用は推奨されておりませんが、私見ではほとんど問題ないと思います。
実際、道路上によく見かけるカーブミラーにはポリカ製も多くございます。
また、薄もので面白い事例もございます。
アクリルミラーと同じく、背面のアルミ製膜面は塗料で保護されてます。
これを工作用のミニルーターでわざと傷を入れて鏡面自体を部分的に剥離して模様を入れる事が出来ます。
また、マニキュア用の除光液などを使われるケースもあります。
除光液を使えば、保護の塗料もアルミ蒸着膜も溶けてしまうんですね。
工作や美術作品作りにこのような手法が用いられます。
こういった加工もフィルム方式では到底できません。

0.5㎜厚のポリカーボネイトミラー。
裏面にはベージュの塗料にて、アルミ製膜面を保護しております。

まとめ

弊社では特に樹脂ミラーに関する情報発信を手厚く行ってきました。
その甲斐あってが、幸運な事に樹脂ミラーに関するご相談を沢山お寄せいただいております。
ただ、自社製品・自前のフィルムラミネートミラーに拘り過ぎていた面もございました。
実際、他社メーカー製のミラーについては競合する事が多々ございます。
しかし、お客様目線に立った際に弊社に求められているものは何なのかと考えてみました。
そうです、決して樹脂ミラーを望んでおられる訳ではないんですね。
お客様のご要望、お困り事を解消する手段が樹脂素材のミラーだったりする訳です。
これまで書いてきたように、自社商品であるフィルムラミネートミラーには長所・短所ございます。
また、他社製品にも長所・短所ございます。
お客様のご要望・お悩みをしっかり伺った上で、適した素材をご提案する事こそが弊社の使命ではないかと考えております。
そういった意味で、樹脂ミラー素材に特化した存在でありたいと思ってます。

小さいものから大きなものまで、樹脂ミラーのことなら弊社におまかせ下さい!!
小さいものから大きいものまで