はじめに

以前にもこのブログにて弊社の商材の一つでもあるハーフミラーの紹介・説明はさせて頂きました。
ただ、あらためて見返すと、当時はLEDと組み合わせた無限回廊効果のPRに重点を置いた書き方をしておりました。
実は、ここ最近ハーフミラーのお問合せが増えております。
しかし、そのほとんどがマジックミラーと混同されており、説明に苦慮する事が多々ございます。
そこで、再度弊社のハーフミラーを説明すると共に、弊社基準でのいわゆる「マジックミラー」との違いを明確にしておきたいと思います。

half mirror1

half mirror1

half mirror2

half mirror2

マジックミラーとは

一般的に身近なところではスーパーマーケットやコンビニなどのバックヤードの扉、ここの窓は大体マジックミラーになってます。
また、バラエティ番組などのどっきり企画など、隠れて撮影する際にもマジックミラーが使われております。
要は片面からは鏡として、その反対からは透過して見えるもの、これがマジックミラーと呼ばれるものです。
これには少しカラクリがあります。
それを説明するには先にハーフミラーの説明が必須です。

ハーフミラーとは

一般的に鏡を作る際に鏡面として反射する膜を作ります。
この反射膜には銀やアルミなどの金属がつかわれます。
鏡というのは正確には風景やものを写している訳ではなく、光を反射しているんですね。
ですから光沢のあるガラスや自動車の塗装面なんかも何となく顔を写したり出来ます。
あれこそ光を反射して写っているように見せているんです。
この反射に関して、光の反射する量を光線反射率と表記します。
一般的なガラス鏡でこの反射率は80~95%と言われています。
残りの5~20%は金属の反射能力の違いやガラスに含まれる不純物などの影響になります。
ハーフミラーの場合、この反射膜に使われる金属の量を調整するんです。
鏡となるもの、これは一応100%の反射を目指して作る訳ですからフルミラーと呼ばれます。
反射膜の金属を減らすと、反射率が落ちる変わりに光が透ける現象が起こります。
この光が透ける量を光線透過率と表現します。
例えば弊社のハーフミラーは光を18%透過します。(光線透過率)
あとはこの延長で反射膜の金属量を調整し光線透過率を調整したもの全般を「ハーフミラー」と呼びます。
実はマジックミラーも厳密に言えばハーフミラーに属するものなんです。

ハーフミラーとマジックミラーの決定的な違い

では、結局のところマジックミラーの定義は何になるか考えてみましょう。
それは片方側からは鏡にしか見えず、その反対側からは透けて見えてしまう事の何物でもありません。
これには光の使い方が密接に影響しております。
実はマジックミラーの設置場所には大抵この光のからくりが存在しております。
分り易くコンビニのケースを説明します。
コンビニの店舗内、これはいつでも照明が明るく保たれております。
片や、バックヤードの室内は少し薄暗くなっております。
これは完全に意図的にそうしてます。
店舗側は明るいのでより多くの光が反射します。
しかしながら何%かの光線は透過するので、その分透けて見える効果が生まれます。
そしてバックヤード側は薄暗いので、店舗側から透過したものが視認できる訳です。
最近よく耳にするスマートミラーなどもこの原理を応用したものです。
普段は鏡としてみる側の方が明るいのでよく写り込みます。
しかし、文字などの情報を裏側からバックライトで強烈に照らし、透過させているんですね。
近頃ではスマートフォンの保護フィルムにもこの手のものがあります。
モニターのバックライトがOFFの時は周囲の方が明るいので鏡になります。
バックライトが着くと光の透過の方が強くなり、スマートフォンとして画面を見る事ができる訳です。

結局、マジックミラーとしても根っこはハーフミラーなんですが、反射する側と透過する側の光の違いと透過率の調整によって初めてマジックミラーとなるんです。

ご承知おき願いたい事

弊社の所有するハーフミラーは光線透過率が18%のものしかございません。
色目の好み、濃い薄いは当然あろうかと思われますが、弊社ではこの18%しかありません。
正直申し上げると簡単に調節できるものではないんですね。
フィルム原反単位から、かなりのロットを保障して頂ける場合でないと実現不可能です。
その場合、ご使用になられるロケーションでの照明を調整されるほうが現実的かもしれません。

まとめ

マジックミラーの効果をもっと身近なもので言えばサングラスなども同じ事が言えます。
ただ、サングラスの場合は樹脂フィルムとは製造法がおおいに異なります。
サングラスの場合、沢山色目や濃さが選べる程種類があるので、そのイメージで相談される事が多いんです。
どうかお問合せを頂戴するまえにこれまでに記した事を今一度イメージしてみてください。
弊社の所有する光線透過率18%が濃いか薄いか、これによって結果が全く異なってしまうからです。
ミスマッチにならないよう、出来るだけお役に立てる事を願っております。