はじめに

今回は弊社の直販サイトである貼りもん屋ドットコムにて掲載していたPET樹脂と木材の接着についての実験をまとめたものです。
お客様からは実際、「木材に貼りたい」と問われる事が多かったんですが、実際のメーカーのどの品番を使えばいいか専門的にお答えできずにおりました。
そこで比較的入手が簡単なものを実際に試し、完全に主観で点数をつけてみました。
貼りもん屋ドットコムは工作、DIY目的のお客様が多いので木材との接着のご質問は当然だと思います。
しかし、テクノワークスにおける量産事案においてもこの情報はお役立ていただけると思います。
実際、木製の什器に貼るなどのお問合わせも多々頂いております。

実験方法

素材は弊社のPET樹脂ミラー、1.0㎜厚のG-PET樹脂基材とホームセンターで入手した合板(コンパネ)です。
各種接着剤をまんべんなく塗布し、簡易乾燥後に貼りあわせ。
この際、後々強制的に剥離させる為のつかみ代を少し残しておきます。
ミラーと合板をクランプでしっかり固定させ、24時間放置。
24時間で乾燥したとみなして前出のつかみ代から無理やり剥がし、その密着の強度などを体感して点数にしてみました。

それでは結果をご覧ください。

木工用ボンド

木材の接着の王道と言えば木工用ボンドでしょう。
但し事前のリサーチでは木製品NGとありましたが、淡い期待をもって試してみました。

結果、かろうじて着いているだけでペリペリと圧着ハガキを剥がす如くな感触。
正直これはいただけません。
主観的評価は10点満点中の3
仮貼りの領域で完全固着には程遠い感じです。
やはり木製品の接着以外にはつかえない印象でした。

100均で購入した接着剤

こちらは大手の100円均一ショップ、ダ〇ソーさんで入手しました。
クロロプレンゴムに有機溶剤とあり、いわゆる弾性接着の部類でしょうか。

 

結果、そこそこの力でそれこそ無理やり剥がす感触。
これが自然に剥離する事はまず考えられません。
なかなかいいですが、剥がした跡を見てみるとPET樹脂側には接着剤の残りがなくツルンとしてます。
完全に密着していないんでしょうか。
費用対効果も良好ですが、逆に言えば強い力がかかると剥がす事もできる。
家具の稼働箇所、そう扉など何度も開け閉めして衝撃がある場所には一抹の不安を覚える感じ。
そこを加味して10点満点中の7点を付けました。

建築用速乾ボンド

こえは実際にお客様からこれを使うとの声がありまして。
ホームセンターにて塗料缶に入って販売されてます。
かなり量を使う、広い面積の施工では威力を発揮しそう。
しかも100均の時と同じくクロロプレン系の弾性接着です。
メーカーも同じなのでひょっとすると全く中身は同じものなのかもしれませんね。

結果、予感通りかなり良かったです。
ほぼ100均の時と同評価かと。
ただ、ミラー(PET樹脂)側への接着剤の残り方も多少あったので、密着・接着力は心なしか強い印象でした。
同じく扉付近は少し怖い気もしますが、量を使えるという点も好印象。
そのあたりを加味して10点満点中の7.5点を付けました。

セメダインスーパーX

インターネットで木材とPET樹脂の接着で調べるとよくヒットするのがこちら。
いままでお客様にも確認こそとれてないけどこれならばと伝えてまいりました。
成分的にはアクリル変性シリコンポリマーとあるのでエマルジョン系なのかもしれません。
とにかく説明書きには困った時のスーパーXとありましたので、かなり期待値は高いです。

結果、これはほぼ完ぺきでした。
つかみ代があってもそうやすやすと剥がせるものではなく。
最終的には合板自体が材料破壊してしまいました。
つまり接着が完璧で木材の下地が壊れたと。
これはもう文句のつけようがありません。
これならば安心してクローゼットの扉などの稼働箇所でも使えます。
評価としては堂々の9.5点です。
なぜ満点ではないかというと、特に理由もありませんが強いていえばコストでしょうか。
スーパーX自体が難接着用という特殊な商品です。
ホームセンターで購入できますが商品パッケージのようにチューブ入りの少量でそこそこいいお値段いたします。
速乾ボンドの様に業務用サイズがあるのかどうかリサーチ不足ですが、価格面での若干マイナスといったところでしょうか。
性能自体はもう間違いないレベルです。

まとめ

くれぐれもお間違えないよう申し上げますが、今回はPET樹脂と木材に限定しての実験結果です。
他の素材との相性についても、これから検証したいと思ってます。

ひとまず、広い面的に施工する場合は速乾ボンドはかなり有効な手段でしょう。
下駄箱やクローゼットの扉など、常に稼働して衝撃を受ける箇所についてはスーパーXをお勧めいたします。