はじめに
時折弊社製の樹脂ミラーの反射率について聞かれる事があります。
実は過去に検査機関にて正式な反射率を実測していただいたデータがあるので、直接問われた場合はその資料を提出するなりで回答はしてきました。
ただ、Webサイトには未掲載だったので今更ながらご案内する事にしました。
反射率について
反射率とは文字通り物質が光を反射する度合いを数値化したものになります。
一般的な建材のガラス鏡や理美容向けの鏡は銀引き製法によって製膜された鏡で、反射率は90~95%程度とされております。
数値の差は対象となるガラスの質に左右されますが、特に理美容向けでガラスの不純物を徹底的に排除した高透過ガラスで銀引きをすると95%という高い数値になります。
また、スパッタリング製法でガラスの表面に製膜されたもの、主に天体望遠鏡や一眼レフカメラ・光学反射板などの光学用途向けは約97%と非常に高い反射率となります。
雑貨向けなどに多いアルミ蒸着製法の鏡は80~85%程度とされております。
これは純粋に反射膜に用いられる金属の差で、銀は高い反射率を誇る反面材料費が高くなります。
アルミは反射率こそ銀よりおとりますが、材料コストを抑える事ができます。
弊社規格フィルムミラーの反射率について
弊社製法はPETフィルムの内側にアルミ蒸着で製膜をしております。
ベースとなるフィルムは50μで光学用の透明度の高いものを採用しております。
反射率の測定は平成24年大阪府立産業技術総合研究所様(通称 産技研)で実測頂きました。
もう13年近く前ですが、規格仕様は当時から変わってないので現在も有効です。
検体はMP-HCで1.8㎜厚HIPS樹脂と1.0㎜厚のG-PET樹脂の2種で測定してもらいました。
HIPSは樹脂板は白色でG-PETは透明。
この母材で差がつくのかという狙いでしたが、フル蒸着しているので結果はほとんど差がありませんでした。
測定結果は定点をではなく波長で最高点を読むようで、これでいくと反射率は80%という結果です。
HIPS・G-PETとは表を重ねてもほとんど差はありませんでした。



弊社のフィルム式でもアルミ蒸着ガラスとほぼ同等の80%程度の反射率があります。
銀引き鏡の90%や光学用スパッタリング式の表面鏡の97%には劣りますが、基材フィルムが50μと薄いのでほぼ表面鏡のような正反射が得られます。
背面鏡と表面鏡は反射率以外にも母材を通すか否かで「見え方」が変わります。
この事は過去記事で紹介しております。
よろしければご参照下さい。 ・鏡の映り方について
樹脂製の表面鏡で一番多い活用法が万華鏡になります。
工芸用の高級品だと前出の光学用スパッタリング式表面鏡が最適ですが、手作り工作やワークショップでは、反射率では劣りますがお手頃な価格で加工がし易い樹脂ミラーも広く使われております。
これを機に、是非ご検討下さい。
