はじめに

弊社では粘着フィルムをラミネート加工する際、原板の大きさに制限を設けております。
理由としては、弊社にて自社設計し運用しているラミネート機の加工対応巾に限度があるからです。
現状、機械の能力としては1,000㎜巾(若干プラスまでは対応可)になります。
また、弊社が工業用フィルムのラミネート加工事業を始めた際に、主力であったフィルムが3尺巾(約910㎜)だった事も関係しております。
上記の理由から、原状では建材サイズでいうところの3×6板(サブロク)というサイズが最も無駄なく加工しやすいという事で一つの基準とさせて頂いてます。
ちなみに3×6板は一般的には910×1,820㎜という表記になりますが、実際には余尺があって少し大きめになる事が多いです。
ただ、大は小を兼ねるとも言いますし、サイズがある程度小さくなる分には対応できますが、機械に通せない巾は物理的に不可能という事になります。

もう少し大きいのが欲しい場合

機械の巾、定尺板のサイズ(3×6板)の関係上、フィルムを企画・製造する際にはそれに合わせて作っております。
もちろん、これにはフィルム原反の規格も関係しております。
参考程度ですが、原状ミラーフィルムにおいてはMP-Tの規格で990㎜の巾で仕上がって弊社に入荷しております。

ただ、時折お客様によっては歩留まりの関係上、もうワンサイズ大きい定尺板を望まれる事があります。
我々で入手可能な硬質樹脂板の定尺板で、3×6板規格の上となると1×2板があります。
これは業界では通称「メーター板」とも呼んだりしています。
こちらは余尺込みでおよそ1,010×2,010㎜くらいの大きさです。
要は巾1Mの長手2Mなんで1×2とかメーター板なんて呼び方になる訳ですね。
機械能力的に言えばメーター板の1,010㎜巾はギリギリ対応できます。
但し、フィルムの巾に限度があります。
実際に加工したらどうなるか、次項にて説明してみます。

メーター板への加工事例

前項で触れたメーター板へのフィルム加工。
たまたま歩留まりの都合でメーター板で加工する案件があったので写真を撮って説明してみます。

ご覧いただいたように、フィルムと板の大きさに差があります。
フィルムの足りていない箇所が板の両端にできてしまいます。
社内的には「耳ができる」なんて言ってます。
ですから、メーター板で加工する際には元板の巾ではなくフィルムの有効巾で考慮頂く必要があります。
こと「耳」を避けようと思うと、ひと手間なんですがメーター板の巾をフィルムより少し小さい巾に事前にカットするなどの方法もあります。

限界は?

硬質樹脂板の定尺板には1×2板のもうワンサイズ大きいものがあります。
それは4×8板(シハチ)というサイズです。
約1,200×2,400㎜になる訳ですが、当然このまんまでは弊社のラミネート機にかけられません。
前項の耳を避けるパターンと同じく、巾を事前に機械に通る寸法にカットしておけば加工出来ます。
一応このあたりが作業場のスペース上、長手方向の限界となります。
また、知りうる限り使えそうな定尺板で4×8板を越えるサイズはないと思いますし。

まとめ

M板や4×8板を使ってまで得られるメリットは何か。
それはズバリ長さ、長手方向です。
巾に制約はあるものの長手が2,000㎜や2,400㎜までが一応可能と言う事です。
もちろん、平素3×6板で運用しておりますので、通常よりも納期やタイミングを相談する事にはなります。
また、前述したようにサイズアップによる歩留まりの向上なども挙げられます。
ちなみにMP-HC(ハードコートミラー)用のフィルムは970㎜巾になります。

ご注意頂きたいのは、定尺板でも素材や厚みによって大きさのバリエイションも限られるという事。
弊社にとっても3×6板以外となると規定外となるので、完全に把握できてはおりません。
まずは3×6板で検討し、それでもの場合は事前に可否を確認したうえでご検討願います。